武装勢力は米軍への攻撃で、改良して爆発力を増したIED(即席爆発装置)と呼ばれる手製爆弾を多用している。毎日新聞が入手した米陸軍病院作成の資料(06年3月)によると、手製爆弾の多くは超音速(秒速約340メートル以上)の爆風を生む。武装勢力は爆弾を道路脇などに仕掛け、米軍の至近距離で爆発させている。
医療関係者らによると、爆風の衝撃波が外傷性脳損傷(TBI)という負傷をもたらす。著しい記憶障害やめまい、頭痛、集中力低下などが主な症状。過去の戦争での医学的データはほとんどなく、損傷のメカニズムは分かっていない。
国防総省の開示文書によると、同省管理の病院で03年1月から昨年末までに脳損傷と診断された米兵は約9000人。また、退役軍人省が管理する病院では07年4月から08年10月までに、約1万3000人が同様の診断を受けており、総数は2万2000人に及ぶ。さらに2万人に「疑い」があり、実数はこれを大きく上回るとみられる。詳しい診断状況が報じられるのは、米メディアも含め初めて。
陸軍病院脳損傷センター代表のマイケル・ジャッフェ医師は取材に対し、05年以降、論文などでこうした脳損傷の発生について「強調した」と述べた。しかし、米軍が対策を本格化させたのは07年秋以降で、米国防総省は事態を認識しながら、迅速な対応を取らなかった疑いもある。
◇外傷性脳損傷(TBI): 外力によりもたらされる脳の組織の損傷。日常生活では車の事故やスポーツでの転倒などで頭部に直接的な衝撃を受けて起きることが多い。戦場でのケースの大半は爆発の爆風によるもので、外傷がない。診断が難しく、脳機能の回復にはリハビリなどが必要。治療が遅れると症状が固定しやすい。
摘自:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090217-00000000-maip-int
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