2009年1月29日星期四

<北方領土>初の上陸断念 外務省、露に「遺憾の意」

 北方四島のロシア人住民に「ビザなし交流」で支援物資を届けようとした外務省職員らに対しロシア政府が出入国カードの提出を求めていた問題で、外務省は28日、上陸を見送り、国後島沖から北海道根室港に引き返すと発表した。91年に合意したビザなし交流でロシア政府がカード提出を譲らず、日本側が上陸を断念したのは初めて。同省はロシア政府に「遺憾の意」を伝えた。

 外務省職員2人と千島歯舞諸島居住者連盟の5人は、政府の支援事業で注射器やガーゼなど医療物資(約1280万円)を届ける予定だった。しかしロシア国境警備局は27日午前、国後島沖で出入国カードの提出を要求。ビザなし交流に基づく支援のため提出を拒否したところ、上陸を拒まれ現地で停泊を続けていた。

 日露政府間で28日、改めて交渉したがロシア外務省は「06年に改正された国内法に従い出入国カードの提出を求めている」と主張を譲らず、日本政府は支援事業中止を決めた。船は29日午前、国後島沖を出発する予定。児玉和夫外務報道官は28日の記者会見で「07年、08年の交流事業ではトラブルは発生していない。理解に苦しむ」と述べた。

 児玉報道官によると、今回の支援では、ロシア政府から1月23日に「出入国カードの提出が必要」との通知があり、決着しないまま支援に向かったという。

 旅券(パスポート)や査証(ビザ)が不要で、身分証明書などで四島に上陸できる「ビザなし交流」は、日本と旧ソ連の外相間の往復書簡への署名に基づき始まった。日本人の元島民の墓参に限られていたが、98年から物資の支援事業などに対象が広がっていた。

 ロシア外交筋は今回の問題について「日露間で根拠となる合意が紙に書かれていない。ロシアの国内法では、すべての入国者が入国カードを記入しなければならず、領土とは関係のない問題だ」と説明している。【川上克己】

摘自:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090128-00000130-mai-soci


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